CAGR(年間複合成長率)
CAGR(Compound Annual Growth Rate)は年間複合成長率と訳される重要な投資指標です。複数年にわたる投資の利益がどの程度の速度で成長したかを、年単位で平均化した数値を示します。単純な平均成長率と異なり、複利効果を考慮した計算方法が特徴です。例えば、初年度10%、翌年5%の成長率であっても、CAGRは単純平均の7.5%ではなく、複利計算により異なる値になります。投資信託や株式、不動産などの長期投資を評価する際、CAGRは最も信頼性の高い指標とされています。日本の金融機関や投資情報サイトでは、ファンドのパフォーマンス比較時に必ず提示される数値です。短期的な変動に左右されず、中長期的な真の成長力を測定できるため、投資家の意思決定において極めて重要な役割を果たします。
例
¥1,234,567の初期投資が5年後に¥1,850,000に成長したケースを想定します。計算式はCAGR=(終了値÷開始値)^(1÷年数)-1です。この場合、CAGR=(1,850,000÷1,234,567)^(1÷5)-1=1.5019^0.2-1≒0.0847、つまり約8.47%となります。毎年正確に8.47%で複利成長すれば、5年後にはこの金額に到達するということです。一方、単純平均で計算すると、年間¥123,287増加が必要となり、年率約10%に見えますが、これは複利効果を無視した誤った計算方法です。CAGRを用いることで、変動する成長率を一つの代表値で表現でき、異なる投資商品間の比較が容易になります。2026年7月17日時点での評価では、このような計算方法が金融実務で標準化されています。
応用
投資信託やETFのパフォーマンス評価が最も一般的な用途です。複数のファンドを比較する際、過去3年、5年、10年のCAGRを並べることで、相対的な成績の優劣が一目瞭然になります。株式投資では、個別銘柄の長期成長性を評価するために、営業利益やEPS(1株当たり利益)のCAGRを分析します。また、不動産投資の評価や事業計画の妥当性判定にも活用されます。ポートフォリオ全体の成果測定、退職金運用の実績評価、投資信託の選別といった場面で日々活用されています。金融アドバイザーは顧客向けの提案資料に、複数年のCAGR比較表を必ず掲載します。市場環境の変化に関わらず、一貫した長期成長力を持つ投資対象を見つけるための必須ツールとなっています。