事業売却価値計算機

EBITDAと業界マルチプルから売却想定価値を瞬時に算出

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売却想定価値
想定範囲(±20%)

事業売却価値計算機とは

事業売却価値計算機は、あなたの事業がどの程度の価値で売却できるかを簡単に推定するツールです。スタートアップから中堅企業まで、多くの経営者や投資家が事業の売却を視野に入れています。しかし、実際の売却価値を正確に把握することは難しいもの。このツールを使えば、業界標準のマルチプル(倍数)を適用することで、リアルな売却想定価値を数秒で計算できます。

事業評価の基本となるEBITDA(利息・税金・減価償却費を除く利益)と、業界別のマルチプルを掛け合わせることで、M&A市場における相場感を把握できるのです。日本国内でも、大型の事業売却件数は年々増加しており、2026年現在でも多くの企業がこのアプローチで企業評価を行っています。

計算式の仕組み:EBITDA × 業界マルチプル

事業売却価値の基本的な計算式は非常にシンプルです:売却想定価値 = EBITDA × 業界マルチプル

ここで重要なのは「EBITDA」と「業界マルチプル」の理解です。EBITDAは、企業の営業利益に減価償却費と非現金費用を加え、利息・税金の影響を除いた利益指標。これは企業の本来の稼ぐ力を示す数値として、グローバルなM&A市場で広く使われています。

一方、業界マルチプルはその業界の特性に基づいた倍数です。例えば、成長性の高いSaaS企業は10~15倍のマルチプルが適用されることもありますが、成熟した卸売業では3~5倍程度に留まることが多いです。これは業界の成長性、利益率、競争環境などの多様な要因に基づいています。

計算式自体は単純ですが、実務では以下の調整が加わることがあります:

  • 営業外収入・支出の除外
  • 一時的な費用の調整(リストラ費用など)
  • 顧客の集中度や契約の安定性による調整
  • 知的財産権や技術資産の加算

実例で見る日本市場での計算

具体的な例で見てみましょう。東京都内でSaaS型のビジネスマネジメントツールを提供する企業Aがあるとします。

企業Aのスペック:

  • 年間売上:3億円
  • 営業利益:5,000万円
  • 減価償却費:500万円
  • 支払利息:100万円
  • 税金:2,000万円

この場合のEBITDA計算は:営業利益5,000万円 + 減価償却費500万円 = 5,500万円となります。

SaaS業界の2026年時点での標準的なマルチプルを10倍と仮定すると:

売却想定価値 = 5,500万円 × 10 = 5億5,000万円

これが同社の売却時の目安価格となります。ただし、実際の買い手による評価では、顧客の継続率(チャーン率)、SaaS企業特有の経営指標(CAC、LTV)、市場成長率などが細かく検証され、この価格から±20~30%の調整が入ることが一般的です。

別の例として、地方に本社を置く製造業B社を見てみましょう。

企業Bのスペック:

  • 年間売上:20億円
  • 営業利益:2億5,000万円
  • 減価償却費:3,000万円

EBITDA = 2億5,000万円 + 3,000万円 = 2億8,000万円

製造業の一般的なマルチプル(4~6倍)を5倍と仮定すると:

売却想定価値 = 2億8,000万円 × 5 = 14億円

同じ規模の企業でも、業種によってマルチプルが大きく異なることが分かります。

業界別の標準マルチプル(2026年)

業界マルチプルは市場環境や業界の景気によって変動します。2026年時点での日本市場における主な業界別マルチプルは以下の通りです:

  • ソフトウェア・SaaS:10~15倍(高成長が期待される)
  • IT関連サービス・コンサル:8~12倍
  • eコマース・オンラインプラットフォーム:6~10倍
  • 医療・ヘルスケア:7~10倍
  • 飲食チェーン:5~8倍
  • 不動産・建築:4~7倍
  • 製造業・卸売業:3~5倍
  • 小売業:2~4倍

これらの数値は市場全体の平均であり、個別企業の状況によって大きく変わることに注意が必要です。成長が著しい企業や独自の競争優位を持つ企業は、上限を超えた評価を受けることもあります。

計算時によくある間違い

このツールを使う際に注意すべき点をいくつか紹介します。

誤り1:営業利益をEBITDAと勘違いする

営業利益とEBITDAは異なります。EBITDAは減価償却費を加算した数値です。減価償却費が大きい企業では、この差が売却価値に大きな影響を与えます。

誤り2:来年度の予想利益を使う

買い手評価では通常、直近3年間の実績EBITDAの平均値が用いられます。来年度の見込み利益だけを根拠にすると、過度に楽観的な評価になり危険です。

誤り3:業界マルチプルの根拠を無視する

「同業他社が15倍で売却した」という情報だけで15倍を使うのは危険です。その企業の成長率や利益率が自社と異なるかもしれません。

誤り4:負債の影響を考慮しない

このツールの計算結果は企業価値(Equity Value)ですが、実際の売却代金には既存の負債返済が優先されます。純資産価値を知るには、売却価値から負債を差し引く必要があります。

売却価値を高めるための実践的なヒント

同じ利益でも、企業評価を上げるためにできることがあります。

1. EBITDA自体を改善する

最も直接的な方法です。営業利益を高める、不要な経費を削減する、といった経営改善が最優先です。

2. 利益の安定性と成長性を実証する

3年以上の実績データがあり、堅調な成長トレンドが見える企業は、同じEBITDAでも高いマルチプルが適用されます。

3. 顧客基盤を安定させる

特にB2B企業では、大型顧客への依存度が低く、多数の中小顧客から安定的に収入を得ている方が評価されます。

4. 経営ドキュメント整備

財務諸表だけでなく、事業計画書、市場分析、顧客一覧、契約内容などが整理されていると、買い手のデューデリジェンスが進みやすく、結果として高い評価につながります。

5. 知的財産権や特許の登録

技術力や独自性が認められた企業は、マルチプル上乗せの対象になります。

売却を検討する際の心構え

売却価値を知ることは重要ですが、それが実現価格かどうかは別問題です。実際の売却では、買い手の財務状況、戦略的な価値判断、市場タイミング、税務上の考慮など、多くの要素が影響します。

このツールで得た「目安価格」を基に、税理士やM&Aアドバイザーに相談し、より精密な評価を受けることをお勧めします。特に売却が現実的な選択肢となったら、プロの支援なしに進めるべきではありません。

2026年の日本では、中小企業のM&A機会がより増加すると予想されています。後継者問題の解決、新たな成長ステージへの挑戦、あるいは創業者のレガシー実現など、様々な動機で売却を検討する経営者が増えるでしょう。このツールがそうした判断の第一歩を支援できれば幸いです。

よくある質問

EBITDAの計算方法が分かりません。決算書からどう導き出しますか?
EBITDAは通常、営業利益に減価償却費(と償却費)を加えて算出します。決算書では、損益計算書の営業利益と、キャッシュフロー計算書や注記で減価償却費を確認します。簡易的には「営業利益 + 減価償却費」で計算可能です。
自分の企業に適切なマルチプルがいくつか分からない場合、どうすればいいですか?
同業他社の売却事例があれば参考になりますが、詳細は秘密にされることが多いです。業界団体の資料、M&Aアドバイザーの公開レポート、または税理士・公認会計士に相談して、業界平均と自社の競争力を比較しながら適切なマルチプル幅を決めることをお勧めします。
このツールで出た価格で実際に売却できますか?
このツールは目安価格を示すものです。実際の売却価格は、買い手による詳細なデューデリジェンス、企業の特殊性、交渉条件、市場タイミングなどにより大きく変わります。実売却時には、M&Aアドバイザーやコンサルタントの専門的サポートが不可欠です。
負債がある場合、どのように考慮すればいいですか?
このツールの計算結果は企業価値(事業体全体の価値)です。売却に伴う現金は、既存借金の返済が優先されます。純粋な創業者の取得額は『売却価値 - 負債 - 税金 - 売却費用』となります。正確な試算には財務アドバイザーとの相談が必要です。
赤字企業や低利益企業は売却できないですか?
赤字企業でも売却は可能です。その場合、EBITDA倍数法ではなく、資産価値法や営業権評価などの別の手法が用いられます。また、成長ポテンシャルが高い企業であれば、現在の利益が低くても買い手が現れることもあります。詳しくはM&A専門家に相談してください。